「スタッフのコラム」を更新しました!(R4.10.5)

○家に帰るまでが…

 

 みなさんは『家に帰るまでが遠足ですよ』というフレーズを聞いたことがありませんか?

これは、遠足から学校に戻り、解散して家に帰る時、学校の先生(校長先生?)に言われる言葉のようです。楽しい遠足が終わり、気の緩みから事故に遭わないように気をつけて帰るように言う訓示だということです。

 

これをネットで調べていると、『テンション・リダクション効果』というマーケティング用語が出てきます。上記のような何らかの楽しみが終わった後に気が緩むこともありますが、大きな買い物のあとだと、他のものまでつい買ってしまうという心理状態のことです。緊張や不安の糸がほどけた時に起こるようです。ネットでの買物で、『これを買った人は、これを買ってます』とか『あと○円の購入で送料がタダになります』というように、目的の商品を購入したあと、このような案内が出て、よりお得になる気がして、買ってしまうことのようです。この場合、気の緩みを利用したものです。でも、それよりは、『家に帰るまでが云々』の言い換えのバリエーションがあるように、いずれも気を緩めずという使い方をしていることが多いようです。

 

 さて、これを『家に帰るまでが…です』の『…』のところに、『カウンセリング』と入れたらどうでしょう。クリニックやカウンセリングルームでの、カウンセリングを終え家に帰る時、もちろん気をつけて帰る必要はありますが、それだけではないと思います。気持ちがスッキリすることもありますが、カウンセリングとはそもそも、自分の問題を解決するための手助けで、受ける人が最終的に解決を目指すものです。ですから、カウンセリングの時間の終了が終わりでなく、次回までの間に考えたりすることが大切なのです。ずっと考えているわけにいきませんが、せめて帰り着くまであれこれ考えるのも意味があります。ただ、そうなると、新型コロナウイルス感染によって一躍脚光を浴びた、Zoomを使ったオンラインカウンセリング、LINEというツールを用いた、いわゆるSNSカウンセリングはどうなるのか疑問が出てきます。“帰るまで”はなく、そもそも出かけてなかったりするわけです。回線を切った途端では早いような気もします。逆に考えすぎたり…。実際どうなんでしょうか。でも、そんなことを考えるのは私だけでしょうかね。

 

情野