「スタッフのコラム」を更新しました!(R2.12.1)

「サンタクロースは本当にいますか?」

 

 サンタクロースに対する子どもの認識については多くの関心が寄せられ,発達心理学の分野でも研究が行われています。ある調査結果をみると,サンタクロースを実在する人物であると信じる子どもの割合は,4歳児で85%,6歳児で65%,8歳児で25%と成長に伴い減少していくようです。実際に,「サンタクロースは本当にいるの?」とサンタクロースの実在について問い始める年齢は,6〜8歳頃が多いとされています。

 

 6〜8歳頃にサンタクロースの存在を疑い始めるのは,子どもの認知発達の過程が影響していると考えられています。5歳頃の子どもにとってのサンタクロースの実在観は,主に経験と外見の類似によって支えられるようです。例えば,クリスマス会で誰かが扮したサンタクロースを見て「本物だ!」と思うのは,そのクリスマス会の経験とその誰かの外見がサンタクロースに似ていることが判断の根拠となるようです。

 一方,6歳頃の子どもは,主に絵本などで聞いたサンタクロースの物語との整合性によって支えられます。外見の類似はもちろん重要ですが,経験は弊害となるようです。これは,この時期になると子どもは物事を論理的に考え始めるようになるからです。例えば,「家には煙突がないし,玄関は鍵がかかっているからサンタクロースが入れるわけがない」などと,空想の中の矛盾を見出すようになるといいます。子どもの認知発達に個人差はあると思いますが,一般的にはおおよそこのくらいの年齢であると考えられているようです。

 

 さて,冒頭の問いに戻りますが,「これ!」といった明確な答えはないのかもしれません。発達の段階で考え方が変化するのであれば,そのつど「あなたはどう思う?」と聞き,その答えに寄り添って返答するのがベターなのかもしれませんね。例えば,「絶対にいる!」と子どもが答えれば,「ママ(パパ)も絶対いると思うよ」といった感じでしょうか。

 

城戸