スタッフのコラム「鬼の正体とは…」

 節分の時期に小学校で「自分の中の追い出したい鬼」を考える取り組みがなされており、とても興味深く感じた。「鬼」という言葉だけでも十分に恐怖心をあおるものだが、その鬼が自分の中にいるという発想に、まず驚かされた。鬼は外から攻撃してくるものとばかり思っていたのが、「鬼自分の中にいる」というとらえ直しを求められるのだ。これまでの考えを180度転換させられるのだから子どもたちにとっては、青天の霹靂(へきれき)といっても過言ではない大事件ではないだろうか。しかし、そのような発想の大転換を素直に受け止められるのは、子どもの柔軟なこころのなせる業なのかもしれない。学校の廊下を歩きながら、子どもたちが描いた表情豊かな鬼の絵を観て、ふと思った。「今年は恵方巻きを食べ損ねてガッカリ」と未だに悔やむ私の中にいる鬼は、「食いしん坊鬼」か? それとも「幸せを願いすぎる鬼」なのか・・・。(今)