「スタッフのコラム」を更新しました!(R6.3.12)

〇 ゲームやスマホと上手に付き合うには?

 今は、インターネットが普及し、中高生にとってスマホは大変身近な存在となりました。また、オンラインゲームについては、小学生も熱中していると耳にします。ゲームやスマホは、お友達関係を築く上でも大切なツールとなっており、一口に“悪いモノ”と言えない状況にあるかと思います。しかし、使い過ぎは心配です。保護者の方からも、「スマホばかりいじっていて、どうしたらいいのでしょう。」という相談を多く受けます。これからの時代は、ゲームやスマホとの上手な付き合い方を考えていくことが大切かもしれません。
 
国際的な診断基準ICD-11や、アメリカ精神医学会が出版しているDSM-5でも、『ゲーム障害』が定義付けられました。個人や家族、社会における機能が十分果たせない場合、どのくらい支障をきたしているかで重症度をはかります。わかりやすく表現すると、大切な用事がある時にもゲームをやめられなかったり、冷静な判断ができずに高額課金をしてトラブルになってしまう状態の時に、『ゲーム障害』が疑われます。また、依存の対象により、一般的には『ネット依存』や『スマホ依存』、『パソコン依存』などと言うこともあります。

依存に陥りやすい要因としては、外部の要因や個人の要因、依存そのものによる影響があります。
個人が持つリスクとしては、性格的に攻撃性が強かったり、内向的であったり、衝動性が強い人が高いと言われています。また、自尊感情が低かったり、ゲーム以外にあまり関心がない人もリスクが高いと言われています。ゲーム自体を楽しみたいという人より、嫌なことから逃れたいために没頭したいという人が依存になりやすいようです。つまり、ゲーム依存から子どもを守る要因としては、現実世界で上手くやっていることや、自己肯定感があること、行動の自己コントロールが上手くできていることなどがあげられます。

ゲームが生活の中心になっていたり、暴言や暴力があるなど心配な場合は専門の医療機関を受診することも大切です。治療の方法としては、個人により異なりますが、ゲームなどの使用時間を減らし、健康的な活動時間を増やしていくことが基本になります。また、使用時間を記録するモニタリングも大切です。自己肯定感が低く、対人場面への不安が大きい場合は、コミュニケーションのスキルを学び、自信を回復していく方法を行うこともあります。

日常生活の中で、本人が自信を持って生活できるよう声掛けをしたり、体を使った遊びを一緒に行う、ゲーム以外のことに興味が持てるような話をしたりそういった場所に連れて行くなど、私たち大人にできることを考えていけたらと思います。                          阿部
                                     
【参考文献】ゲーム・スマホ依存から子どもを守る本 株式会社法研 樋口 進