「スタッフのコラム」を更新しました!(R3.5.6)
5月5日は季節の節目でいうと「端午の節句」、男の子の健やかな成長と健康を願ってお祝いをする日でしたが、「こどもの日」として祝日となり、子どもたちみんなが元気に成長したことをお祈りする日となりました。私たちの支援活動の中では子どもと関わることが多いですが、では、<子ども>とは一体どういった存在を指す言葉なのでしょうか。
そもそも、子どもという考え方は近代になってから生まれたようです。フランスの歴史家であるアリエス(1914-1984)は、自身の著書である『「子供」の誕生 アンシャン・レジーム期の子供と家族生活』(1960)で子どものことを「小さな大人」と表現してします。この時代で「子ども」という考え方はとても新しいものだったようです。しかし、子どもが7~8歳なるまではほとんど動物(家畜とかペット)と同じような扱われ方をされていた記録も残っており、死亡率は高かったようです。
古代ギリシア時代のフィロンが著した『世界の創造』の中では、身体が成熟する時期は22-28歳、精神が成熟する時期は31-42歳頃としており、これに満たない年齢は成人として扱われないとしています。42歳までは子どもということでしょうか。
日本では、1896年(明治29年)制定の民法によって、20歳からを成年として定めた経緯があります。明治時代は19歳までは子どもとして扱われていたのですね。
ちなみに、「三つ子の魂百まで」ということわざがありますが、心理学者のボウルビィによれば、人間は3歳までに他者との愛着を形成するそうなので、やはり幼少期の過ごし方は人生の中でも大切な時期であり、大人になってからも人生に深く影響するようです。
色々と考え方はあるようですが、子どもから大人になるまでには時間がかかり、子ども時代の過ごし方によっては、大人と呼べる存在になれるかどうかにも影響を与えるようですね。人間の心理的発達に関心のある方は、エリク・H・エリクソンやジョン・ボウルビィの名前を検索して頂いても面白いですよ。
守屋
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