「スタッフのコラム」を更新しました!(R1.7.31)

「信じるということ」

 とある相談者の話。いわゆる不登校傾向とされるAさんとその母親の話である。

 初めて会ったとき、Aさんの表情や状態を見て、内心<少し時間がかかるかもなぁ…>と思うほどだった。しかし面談を継続していたある日、母親からAさんが単発で運動会に参加することができたと報告があった。しかも驚くことに徒競走で1位をとったとのこと。「どうして運動会だけ参加できるの?」といった周囲や母親の疑問に対して、私は感覚的なものであるが、<Aさんには隠されたエネルギーがあるんですね。それが今は発揮できていない状態なのかもしれませんね>と伝えた。母子は暑い日も寒い日も相談室に足を運んでくれた。

 出会いから約1年が経ち、Aさんは少しずつ学校に登校するようになった。家族や学校の先生たち、友だちなどの周囲の支え、そして自分自身の力で自分の居場所や目標を見つけようとしている。そんなある日の面談の際に、母親は私にこう言った。「先生が言った通り、Aにはエネルギーがあったんですね」と。

 

 目に見えないものを信じることはとてつもなく力がいることだと思う。この母親は、私の言葉を信じ、Aさんの回復を信じ続けていたのだと思う。信じるということ…それは治療のエッセンスなのではないかと感じる。

 

 下記に、家族心理臨床家で漫画家である団士郎先生の作品の一つを紹介したい。

 

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☆団士郎先生 木陰の物語「信じる」の一節

 

「何を信じたらいいのか!」なんてつぶやきをよく聞く。

 

あらためて、信用できる、できないは、

相手によるのではなく、自分のことなのかなと思う。

 

人を信じる能力もまた、

日常の育ちの中で

育まれるものなのだろう。

 

自分を信じる、誰かを信じる、

明日を信じる、未来を信じる。

 

言葉は簡単だが、そのような自分でいるためには

何が必要なのだろう。

 

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※なお、コラムの来談者のエピソードにつきましては、ご家族の了承を得て掲載しております。

城戸

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