「スタッフのコラム」を更新しました!(R6.9.25)
~向き、不向きについて考える~
「自分には、これは向いていない」という。だったら何が向いているのか?それがわからない。そういうタイプの子どもたちがよくいます。
“向き、不向き”ということに関して、ある学者は「若者は自分の適性や向き、不向きに神経質過ぎるのではないか」と言います。向き、不向きが若い頃からがっちり決まっている人は、ごく稀であり、たいていの人はどんなものでも向く、心と体のやわらかさを持っているそうです。習ったり、試したりしているうちにできるようになる“やわらかさ”もまた人のものであり、人の特質であったと思います。そのような適応力の豊かさこそが、人類を発展させてきたのかもしれません。
自分が長男、長女であるがために、農業や漁業、商業、職人などの家業を継がなければならない人がいました。向き、不向きなど考える余裕はなく、早く一人前になろうと努力します。長年、熱心に取り組んでいるうちにその仕事が自分の“向き”に変わるのかも知れません。若いうちは、向き、不向きなどを考える前に、自分の適応力を信じて、まずは挑戦していくことが必要なのでしょう。多くの経験から学び、習得していくうちに選択できる力が備わるものと考えます。
子どもたちの多くは、高校や大学進学、そして就職などの選択で悩む時期を迎えます。私たちは、壁にあたる子どもたちの姿に、あせらずじっくりと見守ることも大切です。そして、相談を受けたときには、真摯に向き合い、ともに考えるゆとりと適切なアドバイスができる知識と経験も持ち続けたいと思います。
2024.9 事務局長 佐藤恭司